2020年4月7日に内閣府より発令された「緊急事態宣言」。自宅待機命令が下ったり、リモートワークを余儀なくされた企業もあります。就業規則や就業時間に定めがあり、リモートワークを導入したくてもできない場合があります。現在リモートワークを導入しようと考えている企業や働く人々はまずどんなことを確認したら良いのでしょうか。
就労規則の確認
・リモートワークに沿った就労規則(雇用されている場合)
リモートワークに必要なパソコンやネットワーク環境を整える前に一番最初に確認してほしいのが「就労規則」や「雇用契約書」、「業務委託契約書」です。多種多様な働き方が推進されている昨今ですが、今の雇用先で「リモートワーク」が可能かどうかを確認する必要があります。
リモートワークには就労規則の確認を
厚生労働省の労働基準局や厚生労働省の委託を受けている「テレワーク相談センター」では、次のような「テレワーク モデル就業規則~作成の手引き~」を作成しています。
(出典:厚生労働省 厚生労働省委託事業テレワーク相談センター)
・テレワークに付随する手当の支給
テレワークでは、出社義務はないため「移動費」や「交通費」は支給されませんが、モバイルワークでかかった移動費・通信費・電気代などが手当として支給されることがあります。手当は勤務先によって異なりますが、通勤費用やオフィスを構えるコストを大幅に削減することができます。
・フレックス制度などの活用
規程にある定められた時間から働くのではなく、働く時間を柔軟に選択できる「フレックス制度」もあります。「取引先と打ち合わせをした後、保育園の送り迎えをしてから仕事に取り組みます」など労働時間を分配することで労働生産性を高めることもできます。
社内システム環境の整備
・業務遂行に必要なVPN・セキュリティ環境の見直し
社外から社内のネットワークに接続できるため、リモートワークを後押しする代表的な通信技術です。当然、社外から社内のネットワークへアクセスする際にはセキュリティを整備しなければなりません。データが盗用されたり、改ざんされたりする恐れがあり、情報を守るためにはVPNの導入・設置と合わせてセキュリティの見直しをしてリスクをへらす必要があります。
セキュアな環境でのPC利用
・クラウドサービスを使用したサーバー利用
社内ネットワークやクラウド環境を整えると、利用しているアカウントを通してどの端末からでもデータにアクセスすることができます。クラウド上に保存したデータをスマートフォンやタブレット端末などから閲覧・編集などが出来るようになり、必要なデータをすぐに引き出すことができます。アカウントを所有していると、違うPCでログインすることも出来るため、利便性に富んだサービスです。
クラウド利用でどの端末でも特定のデータ閲覧が可能に
・取引先や社内間で連携の取れるコミュニケーションツールの活用
「Slack」や「Microsoft365」、「ZOOM」や「Teams」などのオンライン会議ツールやコミュニケーションツールを使用することで、社内間でのコミュニケーションを円滑に図ることができます。リモートワークの場合、対人で業務を遂行しているわけではないため、業務の進捗や上長への報告、同僚への相談がしづらくなるという弊害もあります。コミュニケーションツールの使用だけではなく、各所と進捗を確認できる進捗管理システムも有効利用していきましょう。
労働生産性の底上げと雇用創出
・リモートワークは手段の一つ。雇用創出の側面も
リモートワークは、働き方改革の一つの手段です。人口減少傾向にある日本社会で、貴重な人材を確保し労働生産性を上げることや、妊娠・出産を機に退職したスキルある女性の社会復帰など未参画人材を取り入れていくことで多様性のある職場環境づくりと労働効率を上げることが求められています。
・リモートワークの導入を検討している企業は厚労省HPを確認しよう
リモートワークの導入を検討している企業はこのコロナ渦だと多く存在すると思います。厚生労働省は現在、「働き方改革推進支援助成金(新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース)」や「働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)」を設置しています。特に前述の「働き方改革推進支援助成金(新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース)」は、9月18日(金)までが交付申請の締め切りとなっているので、検討している企業の採用担当者の方などは確認してみると良いでしょう。
新規で導入する場合などは助成金を活用できます(条件等はHPをご覧ください)
・労働生産性を上げることが重要
日本の労働生産性はOECD加盟国の中でも29カ国中14位に位置しています。1995年~2015年の間に「製造業の名目労働生産性の変遷では、1位から14位へ転落しました。とりわけ製造業の生産性は全業種でも著しく低く、経済産業省は「働き方改革を通した業務の効率化・合理化の追求だけではなく、いかにデジタル技術などを活用して新たな「付加価値」を獲得していくことができるかが重要であり、そのためにはソリューション展開を図り着実に対価を得ていくことが求められている。」と指摘しています。(引用:経済産業省「図115-7 製造業の名目労働生産性水準(2015年/ OECD 加盟国(29カ国))」)
出典:経済産業省「中小企業の労働生産性」より
まとめ
・就労規則改正によるリモートワークを有効活用した雇用創出
場所や時間にとらわれない働き方が近年注目を浴びています。リモートワークが出来るように「就労規則」の改正や新たに在宅勤務規程を制定した企業も存在します。企業は就業の機会を提供することで、時間や場所にとらわれない働き方を希望する子育て中の女性は雇用機会を得ることもできます。様々な理由から出社できない人々の社会参加を促す一助となり得るでしょう。
・リモートワーク導入に伴うシステム整備やセキュリティ面の強化
リモートワークを導入するにあたって、ネットワーク環境の整備(VPN通信の導入など)により、社内のネットワークに公衆電波を通じてアクセスできるようになりますが、セキュリティを強化しなければ個人情報などのデータが危険にさらされる可能性があります。
・「リモートワーク」は命を守りながら給与を確保できる働き方として注目
2020年に新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大で出社規制がかかった企業では、社員の感染を防止するために「リモートワーク」を導入した例も多くありますが、一方で「自宅待機」となり、就業できなかった社員も存在します。世界レベルの災害により社員の出社が困難を極めたとしても、リモートワークができる環境を整えておくことで社員の安全を確保しながら、通常の業務が留まることなく遂行されます。
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